よくある質問
- 妊娠しやすい性交渉の時期は?
- 排卵日の3日前から排卵日翌日までの5日間です。
ある研究によると排卵日四日前の姓交渉でも妊娠しやすい時期としています。 つまり子宮や卵管に入った精子は3-4日間は生きていて受精能力はあるということです。 排卵日が近いかなあと感じたら1-2日毎に交渉を持てばいいでしょう。毎日は必要ありません。 因みに腟の中は酸性なので腟から子宮に上がれない精子は数時間で死んでしまいます。 - 精液検査で異常があると言われました。どうしたらいいでしょう?
- 精液の状態は日によって大きく変わることがあります。
世界保健機関では3回調べて一番良い時を採用するようにと言っています。再度検査をすることを勧めます。もしそれでも異常が あれば原因を調べましょう。 精液の状態によっては人工授精や体外受精が必要です。 - 不妊症の基礎検査を受けたのですが異常は指摘されませんでした。排卵日辺りに性交渉を持ってるのですが妊娠にいたりません。どうしたらよいでしょう。
- 基礎検査で明らかな異常がないのに妊娠しないのを「原因不明不妊」と言います。原因不明不妊でも原因はあります。以下に説明します。
- では原因不明不妊の原因はなんですか?
- 原因はいくつか考えられます。
- 卵管は通っていても排卵された卵子の取り込みがうまくいかない人がいます。何故そんなことが分かるかというと、体外受精をすると質の良い胚が沢山得られて、その一つを移植すると直ぐに妊娠される方がいます。こういう方は振り返って卵子の 卵管への取り込みが巧くいってなかったのだろうと推定出来ます。
- 一方、体外受精で質の良い胚が獲得出来ない方は卵子や胚の質が良くないことが原因とわかります。
- 更に、良い胚を何度移植しても妊娠に至らない方がいます。胚を受け入れる子宮内 膜に原因があると考えられます。 このように原因不明不妊でも原因はあるのです。したがって、タイミングよく性交渉を持って半年位しても妊娠にいたらなければ人工授精にステップアップします。人工授精を5-6回試みても妊娠にいたらなければ体外受精にステップアップすることが教科書的な治療方針です。
詳しくは当院発行の「こうのとり新聞12号、13号、14号」を参考にして下さい。
- 妊娠しやすくなるサプリメントを教えて下さい。
- サプリメントは健康補助食品と言われるものですから、バランスのよい食生活をしていれば必要はないものです。医学的に証明された妊娠力を上げるサプリメントはありません。
ただバランスのよい食事をとるのが難しい方のために以下を参考にして下さい。 キーワードは「抗酸化作用」です。活性酸素が身体の中に発生すると細胞や遺伝子を損傷させます。細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。卵子や精子の遺伝子を損傷すると妊娠力が下がります。そのため生体内には、活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化防御機構が備わっていますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態 を酸化ストレスといいます。抗酸化作用はビタミンC、ビタミンE、カルテノイド類、カテキン(緑茶など)などが持っています。カロテノイドを多く含む食品は緑黄色野菜、マンゴー・パパイヤ・柿・あんず・柑橘類・すいかなどの果物のほか、とうもろこし、赤唐辛子、わかめ・ひじきなど海藻類、えび・かになどの甲殻類、いくら、卵黄などがあります。 サプリメントから離れてしまいましたね。因みに煙草は活性酸素を沢山発生させます。 もう一つのキーワードは「血流」です。血流をよくするのは第一に運動です。ビタミンEは血行をよくします。唐辛子、ニンニク等も血管拡作用があります。
サプリメントとして葉酸を妊娠前から内服することはお勧めします。葉酸はビタミンBの一種です。葉酸が不足すると胎児に神経管(脊椎や脊髄)の奇形が起こるリスクが高まります。
当院で発行している「こうのとり新聞」にサプリメントについて詳しく述べられていますので参考にして下さい。 - インフルエンザワクチンは接種してもいいでしょうか?
- 大丈夫です。妊娠中にインフルエンザにかかると重症化しやすくなります。防腐剤の入っていないワクチンを選んで受けて下さい。
- 妊娠中に接種できないワクチンは?
- いわゆる弱毒生ワクチンと言われているものは控えて下さい。毒性を抑えた弱毒ワクチンですがウイルスは活きています。生ワクチンは風疹、麻疹(はしか)、ムンプス(おたふくかぜ)、水痘(水ぼうそう)などです。